ハンドポリッシャーを使った大理石再研磨の方法
実習で研磨する大理石
Marble
大理石の中で最も研磨が難しくプロでも再生が困難な、黒い大理石「ネロマルキーナ」
世界遺産に多くみられるシックで落ち着いた佇まいのグレー系大理石「グリジオカルニコ」
風格があり煌びやかな面持ちのあるスペインの茶色い大理石「エンペラドルダーク」
国内公共建築物で多くみられるエーゲ海の緑の大理石「ディノスグリーン」
木目柄の美しさが気品を漂わせるベージュ系の大理石「セルベジャンテ」
国内で目にする機会の多いベージュ系大理石「ボテチーノクラシコ」
スペインの国旗を思い起こさせる赤い大理石「ロッソアリカンテ」
イタリアで大理石の代名詞と言われる、白い大理石「ビアンコカララ」
研磨と再研磨は別物
天然石材の中でも大理石は柔らかい性質の部類と言えます。単純に再研磨するだけであれば市販の道具を使って、素人の方でも光沢を得ることはできます。しかし、美しい鏡面を再現するとなるとそう簡単にはいきません。適切な工具と経験値に裏打ちされた技量が伴わない限り、プロフェッショナルとして対価を頂けるレベルに仕上げるのは難しい素材と言えます。
大理石を山から切り出し、石材加工工場で「鏡面研磨」して製品化する際の工具や技術と、住居や建物施設に設置された後、劣化した状態を新品同様の状態に戻す「再研磨」のための工具や技術とは、まったく異なります。住居や建物施設での大理石再研磨は、現場ごとに異なる様々な問題をクリアしながら作業を進める必要が出てきます。課題解決能力と経験値に左右され、難易度の高い技術力のいる作業なのです。
石種や劣化具合によって工法が変わる
【大理石研磨ハンドポリッシャー実習コース】では6種類の代表的大理石研磨を実習します。異なる石種の大理石を同じハンドポリッシャー、同じダイヤモンドディスクを使って同じように研磨しても同じ仕上がりにはなりません。大理石の硬さの違いや劣化具合の違いよって適切なダイヤモンドディスクの選択や磨き方のコツが異なるからです。傷の深さや擦れ具合を加味した上で、番手ごとに異なる手法を用いる必要があります。大理石が生成された過程や構成する鉱物の特性の違いにも左右されます。性質の異なる様々な石種の大理石は実際に磨いてみなければ分からないことが多くあります。
本コースでは比較的研磨が易しい白やベージュ系はもちろん、光沢の再生が特に難しい、黒・グレー・茶・赤の大理石を徹底的に磨いていきます。難易度の高い石種を磨く高度の再研磨技術を学びます。
コンセプトの異なる砥材を使いこなす
大理石を再研磨する作業では主にレジンダイヤモンドディスクを使用します。メーカー各社から様々なダイヤモンドディスクが市販されていますが、ネットで検索すると種類が多すぎてどれを選んでよいのか見当もつかないのではないでしょうか。
A社の#1500番とB社の#1500番が同じ切れ味かというと、実際は全く異なるので注意が必要です。また、A社の#8000番はCの大理石で高い光沢が得られたが、Dの大理石ではツヤがでにくいなどの不都合がでてくることがあり、迷宮の世界に入り込むことになってしまいます。
そこで、石種による大理石の硬さの違いや劣化具合など、現場での一つ一つの状況に応じて最も適切なレジンダイヤモンドディスクを使い分ける眼力が求められることになります。磨学校ではメーカー別、シリーズ別に数種類のダイヤモンドディスクを用意しており、受講者の皆様はそれらを実習で体験することでそれぞれの特徴を掴んでいただきます。
大理石再研磨の作業工程では同じメーカーの同じシリーズのディスクを使うことが大原則ですが、大理石再研磨のこの常識を覆す番手選択方法を学びます。
受講者の皆様は講習で実際にダイヤモンドディスクを使い分けてみることで、石種とパッドとの相性、各メーカーの特徴などを体感できます。1社の、1種類のシリーズだけに頼り切るのでは事足りない場合があるという理解を深めることが大事です。この経験は後々のリアルな研磨作業場面で必ず役にたつはずです。
濃色系大理石の特徴
性質の異なる様々な石種の大理石は実際に磨いてみなければ分からないことが多くあります。プロでも敬遠しがちな再生の難しい濃色系の大理石を研磨し、再び美しいツヤを取り戻すことに挑戦していきます。その理由は営業経験上、濃色系大理石はインテリアとしての価値を高く感じていらっしゃるオーナーさまに好んで使われているからです。ホテル・レストラン・オフィスビル・商業施設・住宅の水回りなどで数知れず遭遇します。
そして、ここがポイントなのですが、濃色系大理石は経年で劣化してくると色味が落ちやすく、白くくすんでしまいがちなのです。また、濃色系大理石は柔らかい石種が多く、表面にキズが付き易く、付いたキズが目立ちやすい特性を持っています。その状態で再研磨せずほっておくと、優雅な美しさが見るも無残に打ち砕かれ、見っともないインテリアに成り下がってしまうのです。
濃色系大理石特有の美しさに、さらに言えばこの特定の大理石の美しさに惚れ込み、特注して採用したオーナーさまが、みっともなく白茶けたこの素材をそのまま放置し続けるでしょうか。答えは「NO!」です。人一倍こだわりの強い方は、白くくすんだ大理石を見るたびにストレスを感じて過ごしていらっしゃることでしょう。多くのオーナーさまは「再研磨で初期の美しさを再現できる」ことをご存じです。
「濃色系大理石を見事に再研磨できる磨き職人はどこにいるのか?」
問題はこの点に絞られるのです。 ハイセンスなオーナー様は無意味に値切ることはしません。何故なら物事の価値を見抜くセンスをお持ちだからです。
水垢で白く汚れた大理石
再研磨が難しい濃色系大理石を磨きます。
住宅・ビル施設現場においてハンドポリッシャーを使用しての濃色系大理石の再研磨は難しい作業であることは上に述べたました。工場出荷後に現場に納められた濃色系大理石の再研磨は難しい、というのが石材メンテナンス分野でのこれまでの常識です。
これは逆に考えれば、濃色系大理石の再研磨ができれば、腕のよい磨き職人としてのあなたの評判が高まることにつながるのです。営業優位性を得るということです。
1日中、街を歩いて観察すれば、ここかしこに営業ターゲットがあなたを待ち受けています。よって【磨学校★みがっこう】本コースではあえてこの難題に挑み、濃色系大理石の再研磨を積極的に学びます。白やベージュ系を完璧に磨けるようになるのはもちろん、濃色系大理石への苦手意識を取り払うのが目標です。大理石の中でも研磨が難しいこの濃色系の石種を手中に収めることができれば「大理石恐れるに足らず」です。
特別な工具や高価な特注品は不要です。大丈夫です、どなたでもネット購入可能な市販品の組み合わせで十分に光り輝きます!【磨きマスタ】がこれまでの経験から得た手持ち工具を使った大理石再研磨工法のすべてをお教えします。
トラバーチン壁面研磨
6種類のハンドポリッシャーを実習
本コースでは6種類のハンドポリッシャーを実習します。それぞれに特徴があり、それぞれに適した状況や得意、不得意な場面があります。カウンターや壁面などの小面積の大理石研磨再生のリアルな現場では、1件1件の置かれた状況に合わせて、最適な道具や工法を用いて最善の結果につなげる工夫と努力が求められます。
本格的に大理石研磨を施工するのであれば、少なくとも2~3種類のハンドポリッシャーは使い分けることができるようにしておきましょう。
面取り加工とR曲面再研磨で稼ぐ
大理石研磨再生の依頼は、平面カウンターだけでなく壁面や曲面でも多くあり活躍の場は広がっています。【磨学校★みがっこう】の大理石研磨(ハンドポリッシャー)実習コースでは、カウンターや壁面など水平面の研磨再生の他にも、カウンターやテーブル、框など大理石が納品設置された現場でリクエストの多い簡易的な加工方法を学びます。
面取り加工とは素材の角部分を落とすことを言います。大理石の鋭利な角部分を角面や丸面に加工することの総称です。本来は面取り用の専用工具を使い加工工場で行う、デリケート作業になります。
糸面取り加工
角面取り加工
R面取り加工
R曲面再研磨
キッチンカウンターや上り框の縁は欠けることが良くあります。その場合の対処法は低粘土のエポキシ樹脂を欠け部分に充填し、硬化後に表面を加工して周囲と同化させるのが一般的です。しかし、このような擬石による成形は、耐久性が石材に比べ弱く、長期の接着耐久性にも疑問符がつきます。補修直後は整形の跡が目立たなくても、時間の経過とともに補修部と周辺部の経時変化の相違によって、補修跡が浮き出てくることがあります。特に人の目に付きやすいカウンターなどははっきりと目立つようになりやすいのです。
そこでもう一つの対処法として面取り加工があります。欠けたカウンターの縁や柱の角を研磨して面(ツラ)事態の形成を変えてしまう方法です。これは慣れないと難しい大胆な方法になりますが、現場施工できる職人さんがほとんど存在しないため、高単価で「稼げる」技術と言えます。住宅やビル施設に設置納品された大理石を現場で面取り加工する方はほとんどいらっしゃいません。その結果、この技術をマスターすると高単価で稼げる貴重なスキルが身に付くということになります。
面取り加工は平面研磨とは異なる砥材を用いる必要があります。また、加工を行う際の工具の使い方には平面研磨とは異なる手法を用います。
さらに、もうひとつ未開拓の市場があります。それは大理石のR曲面再研磨です。上がり框やテーブル、カウンター、家具や建築物の造作物、エントランスの柱など、注意して探せば至る所に見受けられます。R曲面大理石の再研磨は平面再研磨に比べると難易度が高い作業と言えます。R曲面再研磨に適した工具やアタッチメントを使い、平面とは異なる磨き方が必要となります。
本コースでは、住居・店舗・ビル施設に設置された大理石を、現場で面取り加工、R曲面再研磨施工する独特の研磨手法を学び、稼げる営業の引出しを増やすことを目標にします。
- 経験も専門知識も不要です!
- 実践で鍛え抜かれた現役の講師が分かるように丁寧に講習します
- 磨学校の講習スタイルは、セミナーや座学聴講、体験型講座ではありません
- 磨いて、磨いて、磨きぬくプライベートレッスン方式の実習講座です
受講資格
- ハンドポリッシャーによる大理石研磨未経験者の方
- 大理石カウンター研磨再生のプロを目指す方
講習内容
- レジンダイヤモンド研磨工法実習
- ファブリック研磨工法実習
- コンパウンド研磨工法実習
- 複数の研磨機の使い分け実習
- 建築材としてよく使われる代表的大理石の研磨実習
- 状況に応じた適切な保護剤選択の施工講義
- 面取り加工実習
- R曲面再研磨実習
※数種類の代表的石種が用意されています。詳しくはこちら⇒
※講習者の方の習熟度合いによって大理石の種類、講習内容を調整する場合があります。
※講習内容は実際の現場施工から蓄積された弊社独自のノウハウです。
※研磨工法の実習に時間配分を優先させるため、只今「保護剤選択の施工講義」「面取り加工実習」「R曲面再研磨実習」の講習は中止しております。
習得目標
- 石種の個性を知り石種別の研磨技術を体得する
- 大理石の水磨き仕上げ、本磨き仕上げ実習
- 状況に応じた適切な研磨機選択を知る
- 複数のハンドポリッシャーを使いこなす
- メーカー別・シリーズ別ダイヤモンドディスクの使い分け技術
- 大理石研磨(ハンドポリッシャー)作業単体で付加価値を受注価格に反映した注文を受けられる仕上がりレベル
講習日数
- 1日 9時~17時
※講習時間は受講生の習熟度合いを考慮し講師の判断により前後する場合があります。
定員
- 2名
※同じ会社・グループで複数人同時受講希望の場合は別途ご相談ください。
講習料
286,000円264,000円
※各コースともプログラム内容は変更になる場合があります。
※各コースとも講習料は消費税込の金額です。
※講習料は生徒さん1人分の料金です。
※ただいま特別講習料金でお申込みいただけます。
特典
- 磨学校リニューアルオープン記念 受講後に成果確認シートを提出していただける方に下記をプレゼントします。
①大理石研磨用レジンダイヤモンドディスク
下地調整用の粗い番手からツヤ出し用の番手まで一式
実習で使用するダイヤモンドディスクです。硬い大理石から柔らかい大理石まで、性質の異なる
様々な大理石研磨に応用の効くディスクセットです。
②ダイヤモンドディスク取付用緩衝パッド