体系的技術が確立されていない石材メンテナンスの原状
石材の採取や加工、石張り工程などは確立された技術や基準がありますが、現場に施工後の大理石や御影石のメンテナンスは体系的な技術が確立されておらず、経験値におおいに左右される面があります。石を販売しているメーカーの方や石を貼り慣れている建築会社の方、石を意匠設計している建築家の方、さらに距離的に石に最も近い位置で日常的に仕事をしている清掃会社やビルメンテナンス会社の方でも、現場に貼った後の石材メンテナンス方法に精通している方は少ないのが現状です。
更に、石材メンテナンスを発注する側の建物オーナーさまや管理会社、プロパティマネジメント会社なども、自らが管理すべき大理石や御影石についての知識は共有されていないケースがほとんどです。
建築物に益々快適性が求められる時代のニーズに応えることなく、何故このような事態が続いているのでしょうか。石材メンテナンスを難しくしている主な要因は次のような点が考えられます。
- 大理石や花崗岩など生成過程の違いなど石種によって性質が異なる。
- 鉄や銅など含有鉱物により性質が異なる。
- 黒、グレー、茶、赤、緑などの濃色系大理石の光沢を回復させるためには高度の技術を必要とする。
- 工場出荷後現場に納められた御影石の再研磨は不可能に近い。
- 石が納められた場所の環境の個別の影響を受け変質・変色することがある。
- 様々な汚染の原因により汚れの除去方法が異なる。
- シミの原因により除去方法が異なる。
- 表面だけでなく細孔を通って石材内部も汚染されやすい。
- 石内部で結晶化し性質が変化する場合がある。
- 石種により表面の硬さが異なる。
- 製品化する時の表面の加工の種類によりメンテナンス方法が異なる。
- 対象物の現状に合わせ適切な研磨剤や研磨方法を選択しなければならない。
- 体系的研磨再生の工法が確立されておらず職人技の世界である。
- 石磨き職人の数が極端に少なく石材メンテナンス技法が表にあらわれにくい。
- 石材メンテナンスに係る業者が職人技の技法を自ら抱え込んでおり、広く社会に開放する姿勢が見られない。
石材のメンテナンスと正面から向き合おうとすると、お手本が見つからないため、自ら試行錯誤しながら膨大な時間をノウハウの蓄積に費やす必要が出てきます。果敢に挑戦しても正解にたどり着くのは至難の業と言えるでしょう。清掃業やビルメンテナンス業の皆様が、石材メンテナンスを避けるのは仕方がないのかもしれません。
石材メンテナンスを総合的に学ぶ
本コースは石材メンテナンスのプロフェッショナルを目指す方向けの講習内容になります。以下の7つのカテゴリーについて実習を交えながら講習していきます。
- 講習内容は机上の理論ではなく、多くの現場経験から得た即戦的ノウハウ
- 講師は「建築物環境衛生管理技術者」の国家資格をもつビル管理と研磨のエキスパート
- 洗浄 日常清掃や定期清掃、重汚染などのトラブル時の洗浄方法
- しみ抜き 洗浄では対応できないシミ除去の方法
- 再研磨 歩行キズやつやボケ、酸焼けの研磨による再生
- 保護 洗浄~研磨後の状態を長く保ち汚れや劣化を防止する方法
- 防滑 石材フロア特有のスリップ回避加工
- 加工 面取り加工やR曲面再研磨
- 補修 割れ・欠け対応や目地補修方法
凡そ石材メンテナンスを行うに当たり必要と考えられる7つのカテゴリーを総合的に学び石材メンテナンスのエキスパートを目指します。なお、本コースは以下のコースの講習内容を含みますが、本コースだけで講習する内容が多数盛り込まれています。
- 大理石研磨(ハンドポリッシャー)実習コース こちらを参照
- 大理石研磨(フロアポリッシャー)実習コース こちらを参照
- 御影石研磨(ハンドポリッシャー)実習コース こちらを参照
- シミ抜き・薬品洗浄コース こちらを参照
花崗岩風除室の洗浄~シミ抜き~研磨による再生
【磨学校★みがっこう】の石材メンテナンス総合実習コースで大理石や御影石のメンテナンス方法を体系的に学び、石材メンテナンスのエキスパートとして貴方の営業圏内で圧倒的存在感を示しませんか。競合の少ない今がチャンスです。ライバルより先に事業化すれば誰よりもノウハウが蓄積されていきますので、先行者利益の独占も夢ではありません。
貴方がビルメンテナンス事業者や清掃事業者であれば、すでに多くの建物施設オーナー様やビル管理会社と建物管理契約を結んでおられることでしょう。新規営業のコストをかけることなく、その全ての既存契約物件に石材メンテナンスという新たなビジネスチャンスが待ち受けていることになります。更に石材メンテナンスを切り口とした競合他社との差別化を武器に、本業での顧客獲得に向けた新規営業活動を拡大することも可能となります。
磨学校は、50種類以上の粒度の砥石とバフ、10種類以上の研磨用工具並びに数十種類に及ぶ化学洗浄剤を適切に使い分ける高度な特殊洗浄・研磨技術を講習することで、建築素材のもつ本来の美しさと機能を蘇らせる磨き再生のエキスパートを育てます。
石材メンテナンスに使用する工具や薬剤はすべてネット購入可能な市販品の組み合わせです。高価な特注品を使うことなく市販品を使うことで原価を極限まで落とすことができます。原価の安いどなたでも手に入る市販品の道具と【磨学校★みがっこう】で学ぶ技術を組合せることで受注価格のほとんどが技術料金となり、人工計算や時間単価を押し付けられて割に合わない思いをすることもなくなります。
全国に数えるほどしかいない石材メンテナンスの職人技を習得し、技術力で勝負できる世界で営業優位性を手にしてみては如何でしょうか。お客様に喜んでいただけ、次の仕事につながる、高単価で「稼げる」ハイスキルな技術を提供する事業主を目指しましょう。
大理石や御影石を磨きながら学ぶ
再研磨のカテゴリーでは大理石や御影石を実際に研磨しながらどのような要点を学ぶのか、本コースの講習内容の一部を抜粋して記載します。
- 事前の現場調査の重要性
- サンプル施工の必要性
- 建築材に使用される石の種類は主に4種類
- 石材の分類、石種、別名も最初から覚える必要はない
- 石材表面の主な加工は3種類
- 大理石と御影石では硬さが全く違う
- 大理石でも石種によって硬さが異なる
- 硬さの違いによって工具が異なる
- 硬さの違いによって磨き方が異なる
- □□の手間はウサギとカメ
- ○○を征する者が仕上がりの美しさを征する
- 研磨してツヤの出る石、出ない石がある
- 磨いても光沢が上がらない場合の対処法
- 回転工具の主な動きは3種類
- 6種類のハンドポリッシャーを使い分ける
- 3種類のフロアポリッシャーを使い分ける
- 主な工法は2種類
- ウェイト使用の見極めを誤らない
- 同じメーカーの同じ設計思想の同じシリーズのレジンダイヤモンドディスクを使用することが大原則
- 大理石再研磨は状況に応じ複数のメーカー、別のコンセプトの他シリーズのレジンダイヤモンドディスクを組み合わせることで最高のパフォーマンスを引き出す
- 御影石再研磨は状況に応じ複数の工具、複数のメーカー、他シリーズのレジンダイヤモンドディスクを使い分ける
- 本磨きと一口に言っても異なる見え方の光沢の仕上がりがある
- カウンター、壁面、フロアなど磨く対象箇所によって工具と磨き方を変える
- 各研磨工程終了時に忘れずに行うお約束が研磨時間の効率化と最終仕上がりを左右する
石材メンテナンスに付き物のトラブル因子の見極め
上記第1番目に「事前の現場調査の重要性」をあげましたが、見積もりに欠かせない面積や歩行動線、水場、コンセント、分電盤の位置などのほかに最優先すべき調査内容があります。
何よりも優先すべき点は、施工中や施工後に予想されるトラブル因子の存在を見極めることです。本コースでは石材メンテナンス特有のトラブルを事前に回避するために欠かせない30種の事前調査項目をお教えします。
チェックリストの現場調査時における活用は、施工の可否や責任分担の明確化など無用なトラブル要因を遠ざけるとともに、お客様の信頼を勝ち取るのに役立つことでしょう。
洗浄・シミ抜きで学ぶ講習内容
洗浄、シミ抜きのカテゴリーではどのような要点を学ぶのか、一部を抜粋して記載します。
- 石材専用洗浄剤は○○による分類ごとの性質を使い分ける
- 汚れやシミの原因・成分を把握する
- シミ汚れの付着している側の物質の性質や特徴を考慮する
- 誤った洗浄剤の使い方をすると取り返しのつかない事態を招く
- 大方の石の汚れは2種類の洗剤+2種類の薬剤で対処できる
- 発生点の異なる3種類のシミ・汚染が存在する
- 石表面に蓄積したシミ汚れの落とし方
- 石表面から内部に浸みこんだシミ汚れの落とし方
- 石内部で発生しているシミ汚れの落とし方
- 石裏面から表面に吸い上がってきた灰汁シミの落とし方
- シミの発生・原因別に適切な薬剤を駆使する
- 石種の違いによって洗浄・シミ抜き工法が異なる
- シミ抜きをトライしても落とせるシミ、落とせないシミがある
- シミは十中八九落とせる
- 30分で落とせるシミもあれば2泊3日でも落とせない場合もある
石材に発生したシミ・汚れの場合、そのほとんどが石材内部に汚れが入り込んだもので、表面に付着し留まっているケースはごく一部です。
クリーニングやリペアの技術では残念ながら石の内部を綺麗にすることはできません。石の内部に手を突っ込むという事は、使用する薬剤を誤ると石材に取り返しの効かない損傷を与えてしまいかねません。
本コースでは、石表面のシミ汚れのみならず、石の内部に染み込んだシミ汚れ、石の裏面から吸い上がってきて表面に現れているシミ汚れを消し去る洗浄~シミ抜き工法、ノウハウに基づいた的確な研磨工法を学びます。
石材メンテナンスの営業ターゲット
石の使われている建物として石材メンテナンスの営業ターゲットになり得るのは、ビル、商業施設、ホテル、宿泊施設、温泉施設、ゴルフ場、スポーツ施設、健康ランド、日帰り温浴施設、ショールーム、宝石店、ブランド店舗、飲食店舗、美容室、病院、学校、老人福祉施設、駅、空港、官公庁、博物館、図書館、マンション、宗教施設、結婚式場、葬儀場などが考えられます。
石の使われている対象場所として石材メンテナンスの営業ターゲットになり得るのは、エントランス、ロビー、受付カウンター、待合室、外溝、外壁、柱、建物内壁面、トイレ、洗面所、パウダールーム、浴室、浴槽、大浴場、ホテル客室、プール、カウンター、テーブル、オブジェなどが考えられます。
法人営業のターゲットになり得るのは、建物個人オーナー、大手不動産会社、賃貸不動産会社、デベロッパー、シェアハウス運営会社、マンション管理会社、アセットマネジメント会社、プロパティマネジメント会社、リーシングマネジメント会社、ビルメンテナンス会社、ゼネコン、コンストラクションマネジメント会社、ホテル運営会社、デパート、スーパー、家電量販店、飲食チェーン、プール・スポーツ施設運営会社、鉄道系施設管理会社、空港施設管理会社、遊技場運営会社、神社仏閣などが考えられます。
未開拓でライバル不在の石材メンテナンス市場。ざっと挙げてもこれだけのマーケットが待ち構えています。人々は紀元前の古来より石を使った建築物や内装を好んできましたが、今後もますます私たちを魅了し続けること間違いありません。建物の高層化や個性化がすすむ昨今、今後も石材需要は増え続けると考えられます。本コースで石材メンテナンスのノウハウを学び、競争相手の少ない市場で戦わずして勝つ道に踏み出してみては如何でしょうか。
- 経験も専門知識も不要です!
- 実践で鍛え抜かれた現役の講師が分かるように丁寧に講習します
- 磨学校の講習スタイルは、セミナーや座学聴講、体験型講座ではありません
- 磨いて、磨いて、磨きぬくプライベートレッスン方式の実習講座です
受講資格
- 石材メンテナンスの経験は問いません
- 石材メンテナンスのプロを目指す方
- 洗浄用フロアポリッシャー操作経験者の方
※ポリッシャー操作未経験の方は本コース受講に先立ちポリッシャー操作実習を受けて頂きます。事前にご相談ください。
講習内容
- 石材を洗浄する方法
- 石材のシミを除去する方法
- 石材を再研磨する方法
- 石材のコーティング方法
- 石材の防滑方法
- 石材の加工方法
- 石材の補修方法
※受講者の方の習熟度合いによって講習内容を調整する場合があります。
※講習内容は実際の現場施工から蓄積された弊社独自のノウハウです。
習得目標
- プロレベルの石材メンテナンス技術
- 7つのカテゴリー作業単体で付加価値を受注価格に反映した注文を受けられる仕上がり技術
講習日数
- 1日目 9時~17時
2日目 9時~17時
3日目 9時~17時
4日目 9時~13時
※講習時間は受講生の習熟度合いを考慮し講師の判断により前後する場合があります。
※4日目は昼食休憩はありません。
定員
- 1名
※基本は1~2名の個人レッスンです。
※同じ会社・グループで複数人同時受講希望の場合は別途ご相談ください。
講習料
990,000円 900,000円
※各コースともプログラム内容は変更になる場合があります。
※各コースとも講習料は消費税込の金額です。
※講習料は生徒さん1人分の料金です。
※ただいま特別講習料金でお申込みいただけます
特典
- 磨学校リニューアルオープン記念 受講後に成果確認シートを提出していただける方に下記を差し上げます。
①大理石研磨用レジンダイヤモンドディスク1セット(ハンドポリ用)
下地調整用の粗い番手からツヤ出し用の番手まで一式
実習で使用するダイヤモンドディスクです。硬い大理石から柔らかい大理石まで、
性質の異なる様々な大理石研磨に応用の効くディスクセットです。
②御影石研磨用レジンダイヤモンドディスク1セット(ハンドポリ用)
下地調整用の粗い番手からツヤ出し用の番手まで一式
③ダイヤモンドディスク取付用緩衝パッド
④リッページ除去専用ダイヤディスク(ハンドポリ用)
リッページを除去するのに必須のメタル+レジンの2工程ダイヤディスク
大理石、御影石の面取りにも応用できます。
⑤シミ汚染原因別対応表(44種類の汚染別)
シミや汚れの状態、原因別、汚染種類別の対応薬剤一覧表
40種類以上の原因・汚染種類別のシミ取り薬剤を一覧にした対応表です。
実践現場でおよそ考えられるシミ汚れに対処が可能となるシミ落としのバイブルです。
⑥石材メンテナンス事前調査項目表(44項目)
石材を使用している現場の日常管理から定期管理、スポット管理、再研磨まで、
施工着手前の現場調査の際に必要な調査項目表。
事後のトラブル回避のために現存する起こり得るトラブル原因を発見し責任分担を明確化する。
事前の話し合いの際に指摘し、危険負担要因を取り去っておくのに役立ちます。
安全かつ効率的作業計画の準備に欠かせない必須把握事項の一覧です。